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ノスタルジア 記憶の中の景色 東京都美術館 美術図録 アート・デザイン・音楽

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ノスタルジア 記憶の中の景色 東京都美術館 美術図録

本展では、懐かしい風景、そしてノスタルジア(nostalgia 英語で郷愁の意味)について考えたいと思います。「ノスタルジア」とは、もともとギリシャ語の「ノストス(家に帰ること)」と「アルゴス(痛み)」の合成語で、故郷へと帰りたいが、けっして戻れない心の痛みのことを意味します。元々は望郷の思い、いわゆるホームシックと同じような意味でしたが、現代では二度と戻ることができない過去(子ども時代など)の記憶を、現在の風景や情景に重ね合わせて味わう、切なくも複雑な感情のことをいいます。
このノスタルジアを強く感じさせる風景、人のいる情景、幻想絵画などを描いてきた個性的な8名の作家たちを紹介します。日常の街の風景を愛しむように描いている阿部達也と南澤愛美。子どもたちのいる光にあふれた情景を描き出す芝康弘と宮いつき。幻想も含めて、それぞれ独特の「記憶のなかの景色」を表現している入江一子、玉虫良次、近藤オリガ、そして久野和洋。彼らは、それぞれの異なった道を歩みながら、どこか時空を超えたような、普遍的な原風景(人の心の奥底にある原初の風景)を探し求めているように思えます。本展では、彼らの作品を鑑賞することを通して、あらためて、ノスタルジアという複雑な感情が持っている意味と可能性を探っていきます。

出品作家
阿部達也(二紀会)
南澤愛美(日本版画協会)
芝康弘(日本美術院)
宮いつき(創画会)
入江一子(独立美術協会、女流画家協会)
玉虫良次(一水会)
近藤オリガ(新制作協会)
久野和洋(立軌会)

ノスタルジックとは建築の表現でも学生時代言われたし、使った事がある「望郷心」。
ノスタルジアは心理学的領域で、過去への憧れ(思慕)と、もうその過去が体験できないという哀しみが入り混じった複雑な感情を意味します。

故郷を望む心、望郷心。
それは誰しもが経験し心に秘める瞬間(シーン)がある様に思う。それが1つなのか、複数あるのかは知らないが、懐かしいと感じる思い出とは必ずあるはずだ。僕にとっての原風景はもちろんある。そしてこの展覧会を知った時、他者の原風景とはどんなモノだろう…と興味が湧いたのだ。
作家には思い出を具現し表現しうる技能・能力がある。しかし、一般的な我々には無いだろう。そのイメージ(像)はあやふやだ。この図録はそんな

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